経営士とは?資格を取得するメリットや試験内容、合格率まで詳しく解説

パソコンを見ながら説明をする様子


経営に関わる仕事をしている人や経営者に人気を集めているのが、経営士の資格です。経営士の資格を取得すれば、豊富な実務経験があることや経営の知識を持っていることをアピールできます。

しかし、「経営士の資格を取得するためにはどのような勉強をすれば良いのか」「試験内容や合格率が知りたい」人も多いでしょう。そこで本記事では、経営士とはどのような資格なのか、経営士の資格を取得するメリットや取得方法などについて解説します。これから経営士の資格の受験を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。


経営士とは?


経営士とは、一般社団法人日本経営士会(AMCJ)が認定する民間資格です。経営士の資格を取得すれば、経営、生産、販売など経営に関わる幅広い知識を持っていることをアピールできます。

本記事では、経営士の資格について詳しく見ていきましょう。


経営士を取得する意義


経営士の資格を取得すると、経営に関する幅広い知識やスキルを得られます。そのため、企業の経営分野で活躍する人や経営者などが取得すると、非常に役立つでしょう。特に経営コンサルタントとして活動している人が取得すれば、信用度が高まることが期待できます。

経営士の資格を持つ経営コンサルタントの年収は、駆け出しでは500万円程度ですが、経験を積んで顧客が増えると1,000万円を超える場合もあります。


中小企業診断士との違い


経営士とよく似た資格に中小企業診断士があります。どちらも経営に関する専門的な知識を得られる資格ですが、何が違うのか見ていきましょう。

二つの資格のもっとも大きな違いは、経営士は民間資格で中小企業診断士は国家資格であるという点です。また経営士の合格率は約70%と取得しやすいですが、中小企業診断士はわずか数%と非常に難易度が高いです。

経営士は5年以上の実務経験がないと取得できないので、その点はハードルが高いです。一方、中小企業診断士は資格試験に合格した後に、中小企業診断の実務を一定期間行わなければなりません。その他いくつかの要件を満たさないと中小企業診断士として登録できないうえに、5年に一度資格を更新する必要もあります。

取得する難易度が高い点では、中小企業診断士の方がアピールする価値が高いと言えるでしょう。


経営士補とは?


経営士補とは経営士の前段階の資格であり、経営士補資格試験に合格するか、経営士補養成講座を受講すれば取得できます。経営士補を経て経営士の資格を取れば、順を追って必要な勉強をしていけるでしょう。


経営士を取得するメリット

スマホで電話をする女性のビジネスマン


経営士の資格を取得することで得られるメリットについて見ていきましょう。


プロの経営コンサルタントとしての証明になる


経営コンサルタントとは、企業の経営に関する課題を見つけ出して経営改善のためのアドバイスをする職業です。経営士の資格を取得すると、経営コンサルタントとして働くために必要な知識やスキルが得られます。

プロの経営コンサルタントが経営士の資格を持っていれば、知識やスキルがあることの証明になるでしょう。そのため経営コンサルタントを希望する人は、取得することをおすすめします。


経営に関するプロとしての信用を得られる


経営士の資格を取得できれば、日本経営士協会から経営士として認定されます。そのため、経営コンサルタントとして活躍しやすくなったり、社内での評価が高まったりするなど、さまざまなメリットを得られるでしょう。

また権威ある資格を持っていると、社会的な信用が高まるメリットも得られます。特に経営コンサルタントとして活動する場合は、経営士の資格を持っていると経営のプロとしての信用度が高まりますので、役に立つはずです。


他の経営士と情報交換して、能力を高め合える


経営士の資格を取得する際には、経営士養成講座を受講する場合があります。その際には、同じように経営士を目指す人たちと情報交換することが可能です。

同じ道を目指す人たちと勉強方法や経営に関する知識について情報交換していけば、互いに能力を高め合えるでしょう。


経営士の取得方法

リモートで打ち合わせをする男性


経営士の資格の取得方法について、詳しく見ていきましょう。


試験を受けるために必要な能力・知識


試験を受けるために必要な要件は以下のとおりです。


<試験を受けるために必要な要件>

  • 大学卒業程度以上の学識
  • 経営管理の実務経験5年以上


経営コンサルタントをしている人や企業の経営分野の業務に携わっている人で、要件を満たしていれば誰でも受験することが可能です。


試験内容


経営士の試験内容は以下のとおりです。


1.筆記試験

筆記試験は、以下の2種類があります。

  • 共通試験:経営課題について論述する(2時間)
  • 専門試験:経営、生産、販売、マーケティング、人事、財務、情報の中から2科目選択する(3時間)


2.面接試験


必要な知識や技量、資質について面接で問われます。


3.経歴審査


過去の業績について文書で審査を受けます。


難易度・合格率


合格率については公表されていませんが、70%前後と言われています。同じ経営関連の資格である中小企業診断士の合格率が数%なので、経営士の難易度は易しいと言えるでしょう。


勉強方法


経営士の資格試験に合格するためには、主にスクールに通うか通信講座を利用する方法があります。スクールに通う場合、必要なカリキュラムやテキストが用意されているので勉強しやすいですが、費用が高額である点がデメリットです。通信講座も学習に必要なカリキュラムが準備されており、スクールに通う必要がなく費用もスクールより安いメリットがあります。

この他にも独学で勉強するなどさまざまな方法がありますので、自分に合った方法を選んでください。


科目免除について


所定の要件を満たせば、学識がある、経営支援の実績が豊富である場合などに筆記試験が免除されるケースがあります。また、日本経営士会が実施する「経営士及び経営士補養成講座」の所定の単位を履修しても、筆記試験が免除されます。

詳しくは、日本経営士会の公式ページをご覧ください。


業務経験が少ない人は中小企業診断士資格の取得がおすすめ

笑顔で歩くスーツを着た女性


経営士を取得するには経営管理の実務経験が5年以上必要なので、業務経験がない場合は受験できません。

その場合、経営の分野でもっとも権威があると言われている中小企業診断士の資格を取得する方法があります。試験合格後に一定期間中小企業診断の実務を行う必要がありますが、中小企業診断協会が実施する講習を受ければ要件を満たせます。そのため、業務経験がない場合は中小企業診断士試験を受験することをおすすめします。

中小企業診断士はかなり難易度の高い資格ですが、取得できれば経営の分野で非常に役に立つはずです。


まとめ


本記事では、経営士とはどのような資格なのか、経営士の資格を取得するメリットや取得方法などについて解説しました。経営士の資格を取得すればビジネスに役立つことがわかっていただけたと思います。

しかし、経済の専門的な知識が必要ならば、中小企業診断士の資格を取得するのも良いでしょう。難易度が高い中小企業診断士に合格するためには、テキストがわかりやすく過去問が豊富で対策がしやすい通信講座の「診断士ゼミナール」がおすすめです。忙しい社会人が効率良く学ぶのに最適なので、ぜひ資料請求をして内容を確認してみてください。