MBAを取得すると、ビジネスパーソンとして必要な経営の専門的な知識が身につきます。そのため、キャリアアップを目指す人や起業したい人はMBA取得を目指すケースが多いです。
しかし、気になるのがMBAを取得するためにかかる費用でしょう。そこで本記事では、MBA取得にかかる費用と内訳、MBA取得のための費用を抑える方法について詳しく解説しますので、ご覧ください。
MBA取得にかかる費用はどのくらい?
MBA取得にかかる費用について、国内MBAと海外MBAのケースに分けてご説明します。特に海外MBAは、国内MBAに比べて渡航費や滞在費がかかるのであらかじめ費用を見積もっておくことが重要です。
国内MBA取得にかかる費用
国内MBA取得に必要な費用は、主に大学院の学費です。そこで国公立、私立、ビジネススクールに分けて学費の目安をご説明します。
国公立の場合
国公立の大学院に2年間通う場合の学費は、総額150万円程度です。テキストや教材を購入する場合、さらにかかる可能性もあります。
具体的な学費の例は以下のとおりです。
■一橋大学大学院 経営管理研究科
入学金 | 28万2,000円 |
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授業料 | 初年度:53万5,800円/年 2年次:64万2,960円/年 |
その他費用 | 教材費:18~23万円/年 |
総額 | 169万0,760円 |
■京都大学大学院 経営管理教育部 経営管理選考
入学金 | 28万2,000円 |
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授業料 | 53万5,800円/年 |
その他費用 | 検定料:3万円 |
総額 | 138万3,600円 |
私立の場合
私立の大学院に2年間通う場合の学費は、総額300~350万円程度です。ただし、私立の場合には授業料に幅があるので、目指す大学院の学費をしっかり下調べしておく必要があるでしょう。
具体的な学費の例は以下のとおりです。
■早稲田大学大学院 経営管理研究科
入学金 | 20万円 |
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授業料 | 初年度:164万円/年 2年次:184万円/年 |
その他費用 | 互助会費:3,000円/年 校友会費:4万円 |
総額 | 372万6,000円 |
■青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科
入学金 | 29万円 |
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授業料 | 105万3,000円/年 |
その他費用 | 在籍基本料:8万円/年 施設設備料:10万円/年 教育活動料:25万円/年 |
総額 | 282万6,000円 |
ビジネススクールの場合
ビジネススクールは、私立の大学院と同様に300万円程度の学費がかかります。その他にテキスト代なども必要になることを考えておきましょう。
具体的な学費の例は以下のとおりです。
■ビジネス・ブレークスルー大学大学院
入学金 | 31万5,000円 |
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授業料 | 初年度:126万円/年 2年次:126万円/年 |
その他費用 | システム利用料:12万円/年 |
総額 | 295万5,000円 |
海外MBA取得にかかる費用
海外MBAの場合、学費以外にも渡航費や生活費が発生するので、予算をしっかり確保しておきましょう。
MBA取得にかかる費用の内訳
海外MBA取得にかかる費用の内訳を見てみましょう。
授業料(学費)
海外MBAの費用の中で、もっとも大きいのが授業料です。国立大学なら約7万ドル、私立大学だと約8万ドルかかります。日本と違って、私立でも国立でも授業料はあまり変わりません。
また最近は円安の影響もあるので、海外でMBAを取得するための費用はかなり高額だと言えるでしょう。
- バージニア大学(国立):7万5,400ドル
- マサチューセッツ工科大学(私立):8万400ドル
教科書代
学費には教科書代が含まれていないので、別に予算を用意しておく必要があります。専門的な経済学の教科書は高価で、1冊数万円もするものがほとんどです。
必要な教科書をすべて用意すると数十万円かかるでしょう。そのため、中古の教科書を購入したり、人から譲り受けたりして少しでも教科書代を節約することをおすすめします。
予備校にかかる費用
海外のMBAに合格するためには、予備校に通う場合もあります。具体的には、英語力を身につけるための英会話スクールや海外MBAに必要なスキルを測るGMAT(Graduate Management Admission Test)対策の予備校などです。
英会話スクールは、月4回通うコースが月額1~2万円かかるところが多いです。ビジネスイングリッシュを身につけるためには最低1年程度通う必要があるでしょう。またMBA入学認定対策のスクールは、GMATやエッセイ対策などをすべて入れると、年額100万円程度かかります。
留学にかかる費用
海外に留学する場合、準備にかかる費用や交通費、生活費なども必要です。準備費用には、パスポートの申請費用、生活用品などの購入費用がかかります。
交通費として、現地までの航空券や移動時の費用も必要です。生活費は現地での家賃、食費、雑費などがかかるので、年額150~250万円程度を見込んでおいた方が良いでしょう。
MBA取得にかかる費用を抑える方法は?
MBAを取得するためには数百万円もの高額な費用がかかるので、少しでも費用を抑えたいと考える人が多いと思います。そこで、MBA取得にかかる費用を抑える方法についてご説明しましょう。
授業料の安いビジネススクールを選ぶ
ビジネススクールの授業料を比較して、少しでも授業料が安いところを選びましょう。MBAを取得する際にもっとも費用が大きいのが、年間の授業料です。そのため、費用が大きい部分を少しでも削れば節約効果が高いです。
国内MBAの場合は、私立よりも国立の大学院を目指すと授業料を大きく節約できるでしょう。また海外MBAよりも国内MBAの方が安く、海外での生活費や渡航費などが不要である点もメリットです。
単科で受講する
単科生として入学し、必要な単位だけを取得すると学費を抑えられます。不要な単位を取得するための学費を支払う必要がなく、MBA取得のための時間も節約できるでしょう。
奨学金・給付金制度を活用する
大学院やビジネススクールによっては、奨学金制度・給付金制度、または学費減免制度などがあります。条件を満たせば入学金免除や低利息で借りられる奨学金制度を利用できるところもあるので、入学を検討している大学院の制度を確認してみてください。
また大学独自の制度だけでなく、専門実践教育訓練給付金や日本学生支援機構の奨学金といった制度も利用できます。
教育ローンを活用する
教育ローンを利用して、学費を用意することも可能です。たとえば、「日本政策金融公庫の教育一般貸付」は国の教育ローンなので無理なく返済できるでしょう。
就職先の会社負担で取得する
所属している企業でMBA取得の支援をしている場合は、支援を申請してみましょう。企業としても社員が専門的な経営の知識を身につければメリットがあるので、MBA取得を支援しているところもあります。支援制度がある場合は、上司などに相談してみてください。
経営関連の資格取得なら「中小企業診断士」という選択もある
MBAを取得するためには、高額な費用がかかります高度な経営の専門知識と肩書を得られるので効果は高いですが、必要な費用も大きいので悩みどころでしょう。
そこでMBAと同じように、経営に関する高度な専門知識を身につけられる方法として中小企業診断士の資格を取得する手もあります。中小企業診断士の資格は難易度が非常に高い資格ですが、取得すれば経営のプロフェッショナルとして活躍できます。また、MBAを取得するよりも費用が安く済むはずです。
まとめ
本記事では、MBA取得にかかる費用と内訳、MBA取得のための費用を抑える方法について解説しました。MBAを取得するにはかなりの費用がかかりますが、それを安く済ませられることがわかったと思います。
しかし、費用を抑えても必要な金額が多いMBAを選ぶのではなく、同じようにビジネスに役立つ中小企業診断士の資格を取得する方法もあります。社会人向けにおすすめの通信講座は、テキストがわかりやすく過去問が豊富な「診断士ゼミナール」です。効率良く中小企業診断士の資格の勉強ができますので、ぜひ一度資料請求をしてみてください。