仕事で経営に関する高度な知識が必要な人や独立・開業を考えている人は、MBAの取得を考えていることも多いでしょう。しかし、MBAを取得する方法や難易度が良くわからないと躊躇してしまうでしょう。
そこで本記事では、MBAとは何か、取得するメリット、国内MBAや海外MBAを取得する難易度について解説します。
MBAとは?
MBAとは「Master of Business Administration(経営学修士)」の略称であり、経済大学院の修士課程を修了すると得られる学位です。MBAを取得すると、経営学や会計、財務などの高度な専門知識を身につけられます。
MBAを取得するメリット
MBAを取得すると経済に関する高度な専門知識を習得できるため、転職が有利になる、昇進や昇格につながる、人脈が広がるなどのメリットを得られます。またMBAを取得したというステータスも、独立・開業する際などに役立つでしょう。
MBAを取得した人の主な就職先
MBAを取得すると、どのような就職先に進むのかを見てみましょう。たとえば経済の専門知識を活かして監査法人、税理士法人、コンサルティング会社などに進む人や、企業の財務や経理担当として活躍する人がいます。また海外のMBAを取得すると、英語力がついて海外の人脈も構築できるため、外資系の企業に就職する人もいます。
経営の専門知識はどのような分野でも役立つため、大手企業や有名企業に転職することも可能です。
MBA取得の難易度は3つの要素で決まる
MBA取得の難易度は、以下の3つの要素で決まります。MBA取得をお考えの方は、それぞれの難易度がどうなっているのか確認しておきましょう。
①大学院(ビジネススクール)に合格する難易度
まずは、大学院(ビジネススクール)に合格するための難易度をお伝えします。大学院の入学試験に合格する必要があるので、難易度は入学試験の倍率で決まります。一般的な国内の大学院の倍率は1.5倍と言われており、高いところでは4倍以上になることもあります。
このように差がありますので、目指す大学院の過去の倍率データを調べておくと良いでしょう。
②学位取得までの難易度
大学院に入学できたら、1~2年かけて学位を取得しなければなりません。講義の難しさや取得すべき単位の多さなどによって、学位取得までの難易度が決まります。
③「国内MBA」と「海外MBA」
国内MBAと海外MBAでは、難易度が異なります。国内MBAは英語ができなくても取得可能ですが、海外MBAは高いレベルの英語力が必要です。
また試験内容も異なります。国内MBAは書類審査、面接、小論文のテストを実施する場合が多く、他にも専門科目の試験も行われます。海外MBAを受験する際には、国内MBAと同様の書類審査に加えて、TOEFLまたはIELTSのスコアとGREまたはGMATのスコアを提出する必要があります。
国内MBA取得の難易度【大学院合格まで】
国内MBAの大学院に合格するまでの具体的な流れや難易度についてご説明します。
受験資格
受験資格は、学士、修士、博士の学位を持ち、就業経験が2年以上あることなどが求められます。短期大学や高等専門学校を卒業していることや外国の教育を受けたことなどの受験資格が設けられているケースもあります。
試験内容
一般的には書類審査、面接、小論文の試験が行われます。書類審査では成績証明書、卒業証明書、経歴書、推薦状を提出して、中にはエッセイや研究計画書が必要なところもあります。
4月入学の場合の大まかな試験スケジュールについて見ていきましょう。5月から情報収集を行い、研究計画書を提出する場合は8月から取り掛かります。
9月から筆記試験対策、10月から提出する書類の準備、11月に入ったら面接対策を行います。そして12月から受験が本格的に始まります。
倍率
具体的な大学院の倍率について見ていきましょう。
- 京都大学 一般選抜:7.52倍
- 一橋大学大学院 経営管理研究科SBA:4.88倍
- 慶應義塾大学 MBAプログラム:3.76倍
- 早稲田大学大学院 夜間主総合:3.21倍
- 筑波大学 国際経営プロフェッショナル選考:2.57倍
- 東京都立大学 経営学・経済学・ファイナンスプログラム:2.38倍
- 青山学院大学 国際マネジメント研究科:2.00倍
- 神戸大学 現代経営学専攻:1.99倍
- 立教大学 ビジネスデザイン研究科:1.98倍
- 九州大学 産業マネジメント選考:1.73倍
上記のとおり、大学院によって倍率が大きく異なるので、目指す大学院の過去の倍率を確認してみてください。
勉強方法・必要な勉強時間
勉強方法には、専門のスクールに通う方法、独学で勉強する方法、通信講座で学ぶ方法があります。スクールでは効率良く学べるカリキュラムが組まれていますが、費用が高額でスクールに通わなければならないデメリットがあります。
独学で勉強するのは非常に難しいでしょう。通信講座はスクールのメリットがありながら、費用がスクールよりも安く自宅で学べるメリットもあるのでおすすめです。
また大学院の試験に合格するために必要な勉強期間は、3ヶ月~1年ほどと言われています。
国内MBA取得の難易度【大学院入学から学位取得まで】
大学院に入学してから学位を取得するまでの流れについて見ていきましょう。
講義内容
講義の内容は大学院によってさまざまですが、経営に関する高度な専門知識はもちろん、論理的思考能力や分析力、問題解決能力なども学びます。グループディスカッションを通して意思決定や主張の方法、他者との関係性構築の方法なども習得できますので仕事に役立つでしょう。
学習スケジュール
MBAを取得するためには、1~2年間大学院に通う必要があります。全日制の場合、平日の昼間は大学院で学び、平日の夜間や土日に独学で勉強します。夜間制の場合は平日の昼間に仕事をした後、平日夜間と土日にオンライン講義を受けます。
このような日々を1~2年間続ける必要がありますので、仕事と両立することは非常に困難です。
卒業研究・卒業論文
卒業する際に卒業研究・卒業論文を提出し、認められなければ修士の学位を得られない場合もあります。たとえば、筑波大学や一橋大学などは修士論文が必要です。
海外MBA取得の難易度
海外MBAと国内MBAの難易度の違いについて見ていきましょう。
入試試験の違い
海外MBAでは、入試試験時も入学後も英語が必須です。そのためTOEFLまたはIELTSで高いスコアをとっておかなければなりません。入試試験では論文の提出が必要ですが、英語で専門用語を駆使した高度な内容の論文を書くのは非常に困難です。
GREまたはGMATのスコアも必要です。ちなみに、GREは数学、英語、ライティング、GMATは数学、英語、ライティング、総合問題のテストです。
入学後の違い
英語を使って講師や生徒とコミュニケーションをとるのも非常に難しいでしょう。特にグループワークやディスカッションでは、自分の主張ができなければなりません。卒業論文も英語で作成するため、困難がともなうでしょう。
経営関連の資格取得なら「中小企業診断士」という選択も
経営関連の専門知識を得たいなら、中小企業診断士の資格を取得する方法もおすすめです。大学に入学したり留学したりする必要がなく、資格の勉強をして合格し、登録すれば取得できます。
難易度は非常に高く合格率は毎年数%の難関資格ですが、取得すれば経営のスペシャリストとして活躍できるでしょう。
まとめ
本記事では、MBAとは何か、取得するメリット、国内MBAや海外MBAを取得する難易度について解説しました。MBAは国内も海外も難易度が高く、かかる期間や費用も膨大です。そのため、仕事をしながら取得するのは非常に困難であることがわかっていただけたと思います。
MBAと同じ高度な経済の知識やスキルを得られる資格に、中小企業診断士があります。中小企業診断士試験の勉強におすすめなのは、テキストがわかりやすく過去問題が豊富な通信講座の「診断士ゼミナール」です。中小企業診断士試験の資格の勉強を効率良く進めたい場合は、ぜひ資料請求して内容を確認してみてください。